Shingo Indigo-dye ( 藍染しんご)

Shingo Indigo-dye ( 藍染しんご)


染師 / 渡辺 真悟
1986.2.20生まれ
岐阜県出身/東京在住
立命館アジア太平洋大学卒

ロサンゼルス留学後、人生に迷いバーテンダーをしていた頃なんとなく惹かれた近くの藍染屋。たまに訪れていたところを藍染職人に誘われて工房に通うようになる。その後、骨董屋で江戸や明治の筒描き藍染に出会い心奪われことが自分の方向性を見出すきっかけとになり、松永優氏に師事。藍染始めて10年目の2021年に屋号「藍染しんご」として独立。
筒描きの暖簾や風呂敷を得意とし、江戸のデザイン性と技巧を追求。会員制の料亭など本物を求めるクライアントからオーダーメイドを受けている。

「夢七訓」
スマホを眺めてると「藍染」という言葉が目に入り、彼のインスタを覗いた瞬間、DMを送った。駒沢大学に工房を構える藍染師から「白いTシャツにジーパンが目印」というDMが駅到着間際に入る。インスタを覗いた初見は「本当に藍染してるのかい?!」と突っ込みたくなる “ちょいとチャラそうなあんちゃん” 。江戸時代の型染の影響を受けた本物を期待させる作風と乖離して、つかみどころがなかったが、目の前に現れたのは職人の空気感をまとった真っ黒な髪に瞳の茶色が印象的な気さくそうな青年だった。
「人を呼べるようなところじゃないんですが、ここがすごく気に入ってる」と案内されたのは、木々が生い茂るレトロなアパートの2階奥角部屋。
縦長の間取りには、彼が使う仕事道具や素材が生きた状態で配置され、潔く取っ払った風呂桶の位置には藍瓶があった。その隙間で暮らす様子から人生を賭けた “覚悟” が垣間見え、妙な好感をもたらす。
「こっちは令和3年創業っすよ。土地のブランドや長い歴史を出されたら一溜まりもない(笑)。藍をやってるって言うと徳島を期待されるがそうじゃないと知ると“へー”って言って一気に引かれる。しかも畑からやるには東京は高すぎる。だからそういうのは既にやってる人たちに任せて、江戸の風呂敷に魅せられた自分は型染を追求し、あの頃の技術やとんちが効いたデザインの良さを今の時代のものにしたい。渋谷や六本木を本当にカッコいい藍染着て歩いてる人達が増えたらやばいでしょ。10年やってきて今年で36歳、もう進む道を変えられないっす」と江戸の藍染を語り出す茶色い目がギラギラと光る。
私が探していた本物の “江戸” の藍染師がそこにいた。
近い将来、「徳島市で個展 “江戸の藍染師、阿波へ” をしましょう」と伝え、彼の工房を後にした。

2021年6月9日 伊澤 昌高

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